民間企業での週休3日制導入
週休3日制が民間企業にも拡大しており、政府の推進により、
ファーストリテイリング、ヤフー、東芝、みずほなどが既に導入を始めています。
政府の「経済財政諮問会議」では、週休3日制を導入しつつ、働きながら学べる環境を整備することが提言されています。
週休3日制の3つのパターン
週休3日制には以下の3つのパターンがあり、それぞれ給与への影響が異なります。
これってさ、労働時間が減った分、給与が下がるってこと?
そんな事ないよ!
企業によってだけど給与を維持する方向に向かっているらしい!
自由時間が増えるって魅力だよね。
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給与維持型
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休日を増やして月の総労働時間を減らしますが、給与は従来と同じ金額を維持します。この場合、企業側には人件費が変わらず、仕事量が減少することで生産効率を向上させる必要があります。
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従業員にとっては、給与が維持されたまま休みが増えるため、最も魅力的なパターンです。
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給与減額型
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休日を増やす代わりに給与も減少するパターンです。週の勤務日数が減ることで給与も比例して減少します。
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この型は、休みが増えるメリットと給与減少のデメリットがトレードオフとなります。企業側にとっては、総人件費を抑えながら休みを増やすことができます。
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総労働時間維持型
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休日を増やしつつ、総労働時間を維持する制度です。例えば、勤務日数を4日に減らし、その分各勤務日の労働時間を長くすることで総労働時間を維持します。
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給与は減少しないため、企業も従業員もコストと労働時間が従来と同じまま、休みだけが増える形になります。
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引用先:働き方改革ラボ
週休3日制のメリットとデメリット
メリット
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業務効率化と生産性向上
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休みが増えることで業務効率化が進み、生産性の向上が期待できます。休暇によってリフレッシュした従業員は、仕事への意欲が高まり、効率的に業務をこなすことができます。
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育児・介護の両立
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週休3日制により、育児や介護と仕事を両立しやすくなります。これにより、従業員の離職を防止し、長期的な人材確保が可能になります。
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求職者へのアピール
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週休3日制を導入することで、ワークライフバランスの整った職場としてアピールすることができ、優秀な人材の確保が期待できます。
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デメリット
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業務効率低下の可能性
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部署間での連携が取りづらくなるなど、業務効率が低下するリスクがあります。また、取引先との連絡が取りづらくなり、ビジネス上の機会損失に繋がる可能性があります。
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残業の増加と長時間労働の懸念
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週5日の業務を4日でこなす必要があるため、各勤務日に残業が増える可能性があり、結果として長時間労働が常態化する懸念があります。
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従業員の追加採用が必要
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労働時間が短くなることで、業務を回すために追加の従業員の採用が必要になる場合があります。そのため、採用活動や研修などで費用と時間がかかることが考えられます。
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勤務管理の複雑化
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週休2日と週休3日の社員が混在する場合、勤怠管理が複雑化し、人事労務担当者の負担が増す可能性があります。
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週休3日制が注目される背景
週休3日制の導入は、国の「経済財政運営と改革の基本方針2022」において推進されています。多様な働き方を実現し、労働者のニーズに応じた柔軟な勤務体制を提供することが目的です。
労働者からのニーズも高く、企業としても良い人材の確保や人材不足の解消が期待されています。週休3日制を採用することで、働き方の選択肢を広げ、ワークライフバランスを向上させることが可能です。
実際に「週休3日制」を取り入れている企業の事例を紹介
(1)ファーストリテイリング
ファーストリテイリングでは、「1日10時間×土日を含む週4日の勤務」で週休2日制と同様の給与を支給する、変形労働制の「週休3日制」を導入した。
この制度は、育児や介護を行う社員や、自己研鑽のための時間を求めている社員が利用しているようだ。夫婦共働きの家庭では、夫が週休3日制を利用するようになったことで、仕事と家庭の両立がかない、家族で過ごす時間も増えたという。
(2)日本マイクロソフト
日本マイクロソフトでは、2019年、2020年と試験的に選択制の「週休3日制」を導入した。その結果、印刷枚数と消費電力量の削減ができたほか、スポーツやレジャー、旅行、自己啓発など、プライベートを充実させる行動をとった従業員が多くいた。
日本マイクロソフトの週休3日制は、土日に加え金曜日を休業日とし、さらに従業員を支援する取り組みとして自己啓発関連の費用や旅行費用、社会貢献活動費用の補助を行ったという。
(3)ヤフー(LINEヤフー)
ヤフー(現LINEヤフー)では、育児や介護など、サポートが必要な家族がいる従業員を対象として「週休3日制」を選べる「えらべる勤務制度」を導入している。選べる勤務制度では、従業員の申請によって月単位で自分が働く曜日を変更できるだけでなく、週休2日制への復帰も自由としている。これにより、小学校の夏休みに合わせて8月のみ制度を利用するなど、柔軟な働き方が可能となるのが特徴だ。
(4)みずほフィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループでは、従業員本人の希望によって週休3日・4日制を選択できる制度を導入している。「社員自らが働き方をデザインし、モチベーションを高められるよう働き方の選択肢を拡充」するのが狙いだという。給与は週休3日の場合、従来の8割、週休4日の際は従来の6割の仕組みとなっている。
(5)リクルートホールディングス
リクルートホールディングスは、年間所定労働時間と給与を変えずに年間休日を増加する体制をとっている。この体制では、年間の休日日数は合計で145日となっており、週に換算すると週休約3日。従業員がメリハリのある働き方を実現できるよう、休日を増やしたのだという。
結論
週休3日制には、給与への影響を含めて様々な選択肢があります。給与が減少するデメリットはありますが、給与維持型や総労働時間維持型を選ぶことで、その影響を回避することができます。
また、企業としても業務効率化や人材確保のメリットがあるため、慎重に制度を選択し導入することが重要です。企業と従業員双方がメリット・デメリットを理解した上で、最適な働き方を見つけることが求められます。
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