2025年2月6日(現地時間)、ロサンゼルス近郊の連邦地裁において、大谷翔平選手の元通訳であった水原一平被告(40)に対し、銀行詐欺罪などで禁固4年9か月の実刑判決が言い渡されました。
裁判の概要
水原被告は、大谷選手の口座から約1697万ドル(約26億円)を不正に送金し、違法なスポーツ賭博の負債返済に充てたとして起訴されました。検察側は、被告が違法賭博に深く関与し、本人の意思で大谷選手の口座から資金を流用したと指摘。これに対し、弁護側は水原被告がギャンブル依存症に苦しんでいた点を考慮し、刑の軽減を求めました。
さらに、裁判では水原被告の賭博の詳細も明らかにされました。彼は違法なブックメーカーを通じて複数回の高額な賭けを行い、その結果として負債が膨らんでいったことが報告されています。また、検察は水原被告が資金を横領した手口についても説明し、大谷選手の銀行情報を無断で操作し、正規の支払い取引に見せかける方法で多額の資金を移動させたと指摘しました。
水原被告は昨年3月、大谷の資金を盗用したとしてドジャースを解雇に。銀行詐欺など、複数の罪で連邦当局から訴追されていた。6月に行われた有罪答弁では司法取引に応じ、有罪を認めていた。
判決は当初昨年10月25日(同26日)に言い渡される予定だった。しかし、資料作成が間に合わない、水原被告の体調などを理由に、3度の延期で6日(同7日)に行われた。この日、黒スーツに長髪、ネクタイで登場。「情状酌量を求めます」と話した。
米検察は1月23日(日本時間24日)に大谷への賠償金として1697万ドル(約26億円)と4年9か月の禁固刑を求刑したと報じられていた。一方で、水原被告の弁護士は情状酌量を求めて裁判所に申立書を提出しており「深刻なギャンブル依存症」などを理由に禁錮1年6か月の減刑を求めていた。
出典:full-Count
法廷での謝罪
判決の言い渡しに際し、水原被告は「大谷さんには本当に申し訳なく思っている。自らの行為を正当化するつもりはない」と涙ながらに謝罪しました。しかし、裁判官は「この事件はスポーツ界における信頼を大きく損なうものであり、重い責任を負うべきだ」と述べ、厳しい判決を下しました。
裁判官はさらに、「あなたの行為は単なる個人的な違法行為にとどまらず、スポーツ業界全体の透明性に疑問を投げかけるものだ。特に、プロアスリートの財務管理と信頼関係に深刻な影響を与えた」とコメントし、厳しい姿勢を示しました。
今後の影響
この事件は、スポーツ界やファンに大きな衝撃を与えました。大谷翔平選手の名誉が傷つけられたことはもちろん、メジャーリーグ全体にも影響を与える可能性があります。また、違法賭博の問題が再びクローズアップされ、スポーツ業界の倫理観や監視体制の強化が求められることとなりそうです。
さらに、MLBの他の選手や関係者にも影響を及ぼしており、現在、リーグ全体で選手の財務管理や第三者との金銭関係の監査強化が進められています。リーグ関係者によると、今後、選手と代理人、通訳、マネージャーなどの信頼関係を確保するためのガイドラインの見直しが行われる予定です。
一方で、水原被告が服役を経て更生し、新たな人生を歩むことができるのか、多くの人々が注目しています。刑務所での更生プログラムへの参加や、ギャンブル依存症の治療を受ける可能性も指摘されており、社会復帰への道のりは険しいものになるでしょう。
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