PR

【財務省】スイスの銀行に13京円を隠し持っている!?本当の話?

スイス銀行に貯金をしている。イラスト画像 エンタメ

【財務省】スイスの銀行に13京円を隠し持っている!?本当の話?

2025年に入り、SNSや一部の動画メディアで「財務省がスイスの銀行に13京円を隠している」とする驚きの情報が急速に拡散されています。「財務省が隠し資産を持っている」「元首相秘書が暴露した」「CIAのデータにより明らかになった」など、センセーショナルなタイトルで人々の注目を集めています。

こうした話題は、特に社会不安が高まる時期や、税制改正・財政赤字の議論がニュースで取り上げられているタイミングで一気に拡散されやすくなります。実際にX(旧Twitter)やTikTokでは、1日で数十万回以上再生される動画もあり、「真実は隠されている」といったコメントが多く寄せられています。

 

結論から言うと、この情報は事実ではありません。

 

財務省がスイスの銀行に13京円を隠し持っている? 非現実的な数字【ファクトチェック】

財務省がスイスの銀行に13京円を隠し持っているという情報が動画などで多数拡散しましたが、誤りです。スイスの銀行が管理している総資産は約1375兆円で、13京円の約100分の1。また、2025年度の日本の予算は115兆円ほどで、13京円はその1000倍を超えます。

2025年3月以降、YouTubeやTikTokなどで「財務省が13京円をスイスの銀行に隠している」などと主張する動画が大量に拡散している。
動画の多くに共通しているのは「財務省解体デモで財務省が13京円を隠し持っていることが暴露された」という点だ。「菅直人元首相の元秘書が暴露した」「隠し資産はCIAが管理している」「13京円の運用で無税国家も可能」などの主張も含まれている。

出典:財務省がスイスの銀行に13京円を隠し持っている? 非現実的な数字【ファクトチェック】

 
 
 

そもそも「13京円」とはどれくらいの金額?

 

日本の2025年度予算:約115兆円
スイスの全銀行資産総額(2022年):約1375兆円
日本の国家資産総額(2023年):約1京3287兆円

13京円は、日本の年間予算のおよそ1130年分に相当します。この金額は、日本が明治時代から現在まで収めてきた全税収を合計しても到底届かない規模です。さらに、スイス全体の銀行が保有している資産の総額の約100倍以上にもなります。

 

理論上も物理的にも不可能な金額であると言えます。

 

情報の出どころと広がり

この「13京円隠し資産説」は、2025年初頭にあるYouTubeチャンネルが動画内で言及したのが発端とされています。その後、同様の内容をコピーしたTikTok動画やまとめブログが急増し、SNSを通じて一気に拡散されました。

「財務省が解体される前に暴露された」「国家の裏金を知る元関係者の証言」といった文言が多用され、視聴者の不安や怒りを煽るような構成となっていることが特徴です。

実際のコメント欄では、「信じるべき真実がようやく表に出た」「大手メディアは隠している」など、陰謀論的な発想を強める発言が数多く見られます。

 

「13京円隠し資産説」は、2025年初頭にYouTubeで取り上げられたことをきっかけに、TikTokやまとめブログで急速に拡散されました。
「財務省の裏金暴露」など刺激的な表現で注目を集め、コメント欄では陰謀論的な信念を強める声が目立ちました。
 

日本ファクトチェックセンターの検証

信頼性ある情報源である「日本ファクトチェックセンター(JFC)」は、以下のように明言しています。

“13京円の隠し資産についての証拠は一切確認されていない。スイスの銀行の管理資産を遥かに超える金額であり、経済的にも物理的にも非現実的である。”

JFCはこの誤情報が国民の不安をあおり、公共政策に対する根拠のない不信感を拡大する危険性を指摘しています。特に、税金や国債に関する議論と結びつけて誤情報が拡散されるケースがあり、社会的にも深刻な影響を与えかねないと懸念されています。

また、JFC以外にも複数の有識者や国際金融専門家が同様の見解を示しており、どの角度から見ても「13京円説」は信憑性に欠けると断言できます。

出典:日本ファクトチェックセンター(JFC)公式サイト

関連記事:JFCによる「13京円隠し資産」説の検証記事

 

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、「13京円の隠し資産」に根拠はなく、経済的にも非現実的だと否定。
こうした誤情報は国民の不安を煽り、政策への不信感を助長すると警鐘を鳴らしています。専門家も同様に、この説は信憑性がないと明言しています。
 

なぜこうした話が信じられてしまうのか?

  • 数字のスケール感に慣れていない人が多く、現実性の判断が難しい

  • 政府や官僚機構への漠然とした不信感が背景にある

  • SNSでは再生回数・広告収入を狙って誇張情報が乱発されやすい

  • 映画やドラマの影響で「巨大な国家の陰謀」に対して想像力をかき立てやすい

  • 現実の経済状況(増税や物価上昇)への不満が陰謀論への共感を助長する

さらに、現代の情報社会では、視聴回数やエンゲージメントを優先するアルゴリズムが、誤情報をより多くの人に届けてしまうという構造的な課題もあります。

 

情報に惑わされないために大切なこと

  1. 公式情報の確認

    • 財務省や政府広報、NHKなどの信頼できる機関の情報を確認しましょう。
      財務省公式サイト:https://www.mof.go.jp

  2. ファクトチェックの活用

  3. 感情に流されない習慣を

    • 怒り・驚き・恐怖を感じる情報ほど、冷静に一歩引いて確認する姿勢が重要です。

    • 特にSNSでは、情報の真偽よりも反応が優先される構造があるため、自分自身の判断力を常に問う必要があります。

 

結論:13京円説はデマ

財務省がスイスの銀行に13京円を隠しているという情報は、あらゆる角度から検証しても現実性のない、明確な誤情報です。

SNSの拡散力、情報を見極めるリテラシーの欠如、そして経済的不安という背景が組み合わさることで、こうした陰謀論は生まれやすくなっています。

だからこそ、今後も私たち一人ひとりが「情報を疑う力」「確認する習慣」を持ち、社会全体の健全な情報流通に貢献する姿勢が求められます。

 

 

関連
ガソリン補助金10円では価格が下がらない可能性がある?その理由とは!
【大阪万博】携帯電話の充電切れでピンチ!充電スポットはどこ?
トランプ関税は誰が得する?米も株価続落で被害が甚大なのに!

コメント

タイトルとURLをコピーしました