ニセコバブル崩壊の予兆が顕著に：中国系企業の倒産が急増中？

北海道・ニセコは、近年「チャイナマネー」による高級リゾート開発で国内外から注目を集めてきました。スキーリゾートとしての魅力に加え、豊かな自然や温泉、インバウンド需要の増加もあり、不動産や観光業を中心に活況を呈していました。しかし、2025年春に入り、そのバブルに陰りが見え始め、崩壊の兆しが顕著になってきています。

ニセコでバブル崩壊の兆し、中国系企業の倒産が急増中

近年「チャイナマネー」で活況を呈していた北海道・ニセコのリゾート開発が、2025年春以降急ブレーキ。中国経済の減速や資金難の影響で開発中止が相次ぎ、バブル崩壊の予兆として注目されています。

北海道ニセコ“エリア最大級”の高級リゾート計画が建設途中で頓挫「ラプルームニセコリゾート」破産手続き…今後の観光開発に影響か

　高級リゾートの開発を進めていた東京の特定目的会社が4月8日、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けました。
破産手続き開始の決定を受けたのは、東京の「La Plume Niseko Resort（ラプルームニセコリゾート）特定目的会社」です。
2020年12月に設立されたこの会社は、北海道ニセコ町で大規模な高級リゾートの開発計画を進めていて、計画では219室の客室と、5つのプライベートヴィラを備えた「New World La Plume Niseko Resort」を建設する予定でした。
　完成すれば、ニセコエリアでは最大級のリゾートになる予定で、アジア系企業の資本を受けて開発が進められていました。
　破産管財人の弁護士事務所によりますと、開発は数十億円規模とみられていてますが、工事を請け負っていた建設会社への支払いが滞り、2024年秋ごろまでには工事が中断していました。
建設費の高騰が原因だということです。

出典：北海道ニセコ“エリア最大級”の高級リゾート計画が建設途中で頓挫「ラプルームニセコリゾート」破産手続き…今後の観光開発に影響か | TBS NEWS DIG (1ページ)

中国系企業の大型開発が次々に頓挫

2025年4月、ニセコ町で進行中だった中国系企業による大規模なリゾート開発計画が、資金繰りの悪化により中断を余儀なくされました。これは単一のプロジェクトにとどまらず、複数の中国資本が関与する開発案件でも同様の傾向が見られています。地元メディアの報道によると、開発停止の背景には、中国国内での経済減速、不動産バブルの崩壊、資金流出規制の強化などが影響しており、これにより投資家が撤退を始めているとのことです。

これまでニセコの開発をけん引してきたプロジェクトの中には、豪華ホテル、温泉付きヴィラ、商業施設、さらには長期滞在型コンドミニアムを含む複合型リゾートも多数存在していました。これらが中止または延期されることで、建設業者や関連企業、雇用、自治体の財政にも悪影響を及ぼす可能性が高まっています。

ニセコで中国系リゾート開発が次々中断

2025年4月、ニセコの中国系企業による大規模リゾート開発が資金難で中断。中国経済の減速や資金規制が影響し、複数のプロジェクトが頓挫。建設業や地元経済にも打撃が広がっています。

地元住民の不安と外国資本のリスクが露呈

ニセコの急激な土地開発と価格高騰は、地域住民にとっては大きな懸念材料です。ここ数年で地価は倍以上に跳ね上がり、若者や地元企業の居住・営業スペース確保が困難となっていました。外国人観光客向けのサービスや高級施設ばかりが増え、生活利便性は後回しにされる現象も確認されています。

そうした中での中国系企業の相次ぐ経営難・撤退は、地域社会に「これはバブル崩壊ではないか」との不安を抱かせています。また、外国資本が経済の中核を握ることで、経済ショックの影響を地元が直接的に受ける構造が明らかとなり、改めてリスク分散の必要性が問われています。

ニセコで地価高騰と外資依存に不安の声

地価が急騰し、地元住民や若者の暮らしが圧迫される中、中国系企業の撤退が相次ぎ、地域にバブル崩壊への懸念が広がっています。外資頼みの構造リスクが改めて浮き彫りとなっています。

観光需要回復の中で広がる不透明感

コロナ禍を乗り越え、訪日観光客が急増している今、ニセコの観光業自体は回復の兆しを見せています。冬のスキーシーズンだけでなく、グリーンシーズン（春〜秋）も含めた観光プログラムの拡充やSNSによるプロモーション強化などにより、世界各国からの観光客が戻りつつあります。

しかし、不動産投資を支えていた主力の中国系資本が揺らいでおり、観光業と不動産業のバランスにも歪みが生じ始めています。バブル期のように短期間で投資回収が見込めなくなった今、開発事業者や投資家たちの間でも慎重姿勢が強まり、新規開発への意欲は明らかに減退しています。

観光回復の陰で不動産投資は失速

観光客は回復傾向にあるものの、中国系資本の不動産投資が低迷し、開発意欲が後退。観光と不動産のバランスに歪みが生じ、先行きへの不安が強まっています。

今後の展望と地域経済の再構築

こうした状況を受け、ニセコ町や周辺自治体では、外国資本に頼りすぎない地域経済の再設計が課題となっています。地元企業の支援策やスタートアップ誘致、農業や地産品を生かした観光コンテンツの開発など、ローカルプレイヤー主体の持続可能な成長モデルが模索されています。

また、住宅政策の見直しや空き家再利用の促進、移住支援策の強化など、定住人口を増やすための取り組みも注目を集めています。観光と生活の共存を実現し、地域全体が恩恵を受ける経済モデルへの転換が急がれます。

ニセコ、地域主導の持続可能な再構築へ

外資依存から脱却を目指し、地元企業支援や農業観光、移住促進などを通じた持続可能な地域経済の構築が急務となっています。

ニセコの将来を見据えた教訓

今回の一連の事例は、ニセコが直面する構造的な課題を浮き彫りにしました。短期的な投資ブームに依存するのではなく、地域の強みを活かした長期的なビジョンが必要です。外国資本との付き合い方も「選別と共生」がキーワードとなりそうです。

今後、同様のリゾート地での過剰投資やバブル崩壊リスクにも注意を払いながら、地元経済の回復力と柔軟性を高めていくことが求められます。ニセコが“持続可能な観光地”として再構築される日を見据え、今まさに重要な転換点に立っていると言えるでしょう。

ニセコ、今こそ転換点に

短期的な外資依存から脱却し、地域の強みを活かす長期的戦略が求められています。選別と共生を軸に、持続可能な観光地への再構築が急務です。

ニセコバブル崩壊の予兆が顕著に！中国系企業の倒産が急増中？