【東京・江戸川区で爆発】なぜ地中にガスボンベが？その理由とは！

2025年5月27日、東京都江戸川区東葛西の住宅街で、衝撃的な爆発事故が発生しました。爆発は午前9時半頃、マンション建設現場で杭打ち作業中に起こり、10人が負傷、半径100メートル以内にある少なくとも38棟の建物が被害を受けました。その原因は、なんと地中に埋まっていたアセチレンガスボンベ。
では、なぜそんなものが地中に？今回はその背景に迫ります。

【江戸川区のガス爆発】事故はだれの責任！損害補償は払ってくれるの？

事故の経緯
2025年5月、東京都江戸川区のマンション工事現場で発生した爆発事故。原因は地中に埋まっていたアセチレンガスボンベの破損と引火でした。
この記事では、事故の詳細、なぜガスボンベが地中にあったのか、過去の工事の問題点、今後の安全対策や専門家の見解までをわかりやすく解説。建設業界や都市インフラの安全性を考えるうえで、必読の内容です。

🧨事故の概要

現場は住宅街にある新築マンションの工事現場。杭打ち工事中に、作業重機が地中のアセチレンガスボンベに接触し、内部のガスが漏れ出して引火・爆発したと見られています。炎と衝撃により、作業員や通行人、近隣住民の計10人がけがをし、爆風で建物の窓ガラスが破損するなど、多大な被害が出ました。

さらに、周辺住民からは「雷が落ちたのかと思った」「窓ガラスが突然割れ、子どもが大泣きした」といった声が上がっており、地域社会に大きな衝撃を与えました。

工事現場で爆発火災…地中からガスボンベか　過去の工事で“置き去り”ケースも

27日午前、東京・江戸川区で起きた大爆発。撮影者によると「頭上にミサイルが落ちてきた」と錯覚するほどの炸裂音が響きわたったといいます。
10人がケガをし、周辺の建物38棟に被害が出た住宅の建築現場での爆発火災。
ガスにまつわる同様の事故は過去にも…。
2023年7月、東京・新橋のビルで、3階で内装工事をしていた際に作業員がガス管を誤って外したため、2階にガスが充満し爆発。通行人ら5人が重軽傷を負いました。
今回の事故も、当初はガス管から漏れたガスに引火したと思われましたが、その後。
「ガスボンベが地中にあった可能性もある」（警視庁による）
現場からガスボンベの一部とみられるものが見つかったということです。
重機で地面に“くい打ち”の作業をしている際に、重機の先端が地中にあったガスボンベを破損、金属摩擦で火花が出て引火したとみられています。

ガスボンベが地中に埋まっていることはあるのでしょうか？
ガスボンベなどの容器に詳しい団体は――
ガス容器に詳しい関東高圧ガス容器管理委員会・戸谷昭宏さん
「建設ラッシュがあって、そのときにそのようなガスを使って、本来ですと（ボンベを）回収し販売店に返却するのが筋なんですけど、それを怠って埋めてしまった。そのままにしておいたことが考えられる。40～50年前の建設の工事が多かったときに、今出てきたと考えた方がいいと思う」

過去に建設工事などで使用したガスボンベを現場に置き去りにしたまま、今になって見つかるケースがあり、この団体には少なくとも月に1回は回収の相談が入るといいます。

ただ爆発の可能性については――

ガス容器に詳しい関東高圧ガス容器管理委員会・戸谷昭宏さん
「土の中でさびて、それが30～40年たてば穴があいてしみ出すような形でガス体は漏れてしまう。よっぽど条件がそろわない限り爆発にはならないと思う」

出典：工事現場で爆発火災…地中からガスボンベか　過去の工事で“置き去り”ケースも（2025年5月27日掲載）｜日テレNEWS NNN

❓なぜ地中にガスボンベが？

事故の原因とされるアセチレンガスは、金属加工などで使われる可燃性の高いガスです。通常は使用後に速やかに回収されるべきですが、今回はそうされず、何十年も地中に放置されていた可能性があります。

専門家によると、1970年代〜80年代の建設ラッシュ時代には、施工後に不要になったボンベなどが不適切に処分され、地中に埋められたケースがあったといいます。実際、現在でも月に一度程度、地中から発見されたガスボンベの処理相談があるとのことです。

過去の建設現場では、作業記録が紙媒体で保管されていたり、業者間の引き継ぎが十分に行われていなかったりすることが多く、「見えない地中のリスク」が長年にわたり放置される原因となっています。

1970〜80年代の「建設ラッシュ」の影
当時、地中に資材を埋める慣習が一部業者に存在

・不要になったガスボンベや配管資材などが不適切に処分された可能性

・引き継ぎ記録の不備や、紙媒体の施工記録しかないこともあり、長年発見されずに放置されていたとみられます。

解説記事：テレ朝NEWS｜なぜ地中にガスボンベ？専門家の見解

また、アセチレンガスは非常に不安定な性質を持つため、わずかな衝撃や火花でも引火の危険があります。これが今回のような大規模な爆発につながったと考えられています。

なぜ地中にガスボンベが・・・
事故の原因は、金属加工に使われる可燃性の高いアセチレンガス。通常は使用後に回収されますが、今回は数十年前の建設現場で不適切に処分され、地中に放置されていたとみられます。記録の不備や引き継ぎの不十分さも背景にあり、こうした“見えないリスク”が爆発につながった可能性があります。

アセチレンガスボンベの形状とは？

アセチレンガスボンベは、一般的に以下のような特徴があります

・円筒形で上下に丸みのあるデザイン
・高さ：約90〜120cm／直径：約20〜30cm（サイズは用途により変動）
・黒や赤茶色の塗装が多く、安全弁やキャップがついている
・中には多孔質物質（アセトン含浸材）が詰められ、爆発防止対策がなされている

※長期間地中に埋まっていた場合、腐食が進み漏洩・破裂の危険性が極めて高いとされます。

🔍今後の対応と教訓

現在、警視庁と消防庁が合同で、ガスボンベの所有者や埋設された経緯の調査を進めています。また、同様の事故が発生しないよう、今後は以下のような対策が求められます。

・建設前の地中探査の徹底
・埋設物リスクの周知と教育
・昔の工事現場データの再調査
・ボンベ等の処分ルールの再強化
・国や自治体による情報共有と補助制度の拡充

特に、新築工事を行う際には地中レーダーなどの機器を使って過去の埋設物を確認することが不可欠です。過去に埋められたものは”見えない危険”であり、事故防止には徹底した調査と意識改革が必要となります。

さらに、建設業界全体の安全意識の底上げも求められています。教育・研修を通じて、若手作業員にも「過去の負の遺産」の存在を伝え、未来の事故を未然に防ぐ取り組みが重要です。

🧠専門家の見解と全国への波紋

今回の事故について、災害リスク工学の専門家は次のように述べています。

「ガスボンベのような高圧容器を地中に埋める行為は、現在の基準では極めて危険とされている。だが、数十年前の日本ではそうした認識が希薄だった。全国で同様の埋設物がある可能性も否定できない」

これにより、他の自治体や建設業者も「自分たちの現場に似たリスクがないか」を再確認する動きが広がっています。今後、国土交通省や建設業協会などが中心となって、過去の工事記録のデジタル化と、地中調査ガイドラインの策定が進められる可能性もあります。

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📝まとめ

江戸川区で起きた爆発事故は、過去の建設業界の”負の遺産”がもたらしたものでした。幸い、死者は出ませんでしたが、10人のけが人と多くの建物被害を生んだ重大な事故です。私たちは今こそ、過去の教訓を元に、再発防止の取り組みを強化していく必要があります。

また、建設だけでなく都市開発においても、地中に潜むリスクの把握は欠かせません。今後は、自治体・民間企業・専門家が連携し、”安全な都市インフラ”の実現に取り組むことが求められます。

この事故を一つの教訓として、日本全国で同様の危険が再発しないよう、注意喚起と予防策の共有が急務です。

今後も建設現場における安全対策、そして“見えない危険”への意識を高めていくことが、真の再発防止に繋がるでしょう。