【驚愕】タクシー免許がたった3日で取得可能！？その裏にある闇とは

🚖 最短3日で取得可能？制度改正の概要

2025年9月から施行される予定の制度改正により、これまで40時限が必要だった普通二種免許の教習が29時限に短縮され、教習所によっては”最短3日”で卒業が可能になると報じられています。

この背景には、深刻なドライバー不足があります。特に地方都市では高齢化が進み、若年層のタクシー運転手が極端に少なくなっており、業界の持続可能性が問われる状況です。

また、観光需要の回復や高齢者の移動支援など、タクシーの社会的需要が高まっていることも制度改正の背景とされています。さらに、若者の車離れが進むなかで、第二種免許取得のハードルを下げることは、新たな就業機会の創出にもつながると期待されています。

制度改正について
2025年9月から普通二種免許の教習が40時限から29時限に短縮され、一部では最短3日での取得が可能になります。背景には地方のドライバー不足や観光・高齢者需要の増加があり、若者の就業促進も狙いとされています。

出典：普通二種免許の制度改正（job-license.com）

⚠️ 実際には3日で取得は困難

理論上は可能でも、以下の点で現実的には困難です：

・1日に最大10時間の教習が必要
・効果測定（模擬試験）や卒業検定などの行程がある
・卒業後に運転免許センターでの学科試験受験が必要

これらを踏まえると、”最短3日”という表現は広告的な側面が強く、実際に取得までには最低でも1〜2週間を要するのが一般的です。

加えて、地方では教習所の数自体が少なく、スケジュール調整が難しいため、都市部と地方部で取得難易度に格差があることも問題視されています。

「最短3日」は誇張気味で、実際の取得には1〜2週間が一般的です。地方は教習所が少なく、都市部との取得難易度に格差があります。

出典：短期取得の実態（job-license.com）

🧑‍🏫 研修期間の短縮が生むリスク

法定研修期間も10日間から5日間に短縮される方向で議論が進んでおり、育成スピードの向上が図られていますが、実地では接客マナー・地理知識・安全運転の習得に時間を要します。

たとえば、大都市では道路網が複雑であるうえ、利用者のニーズも多様なため、地理的知識やルート選択能力が欠かせません。また、訪日外国人観光客の増加に伴い、簡単な英会話能力や異文化対応も求められる場面が増えています。

多くのタクシー会社では、初乗務までに30日以上をかけて研修しており、短縮化が現場に与える影響は甚大です。新人が研修不足のまま乗務することで、交通事故や利用者トラブルのリスクが高まりかねません。

時短のリスクとは
研修期間の短縮が進められていますが、実務には接客・地理・安全運転の習得が不可欠です。多くの現場では30日以上の研修が行われており、短縮による事故やトラブルのリスクが懸念されています。

出典：タクシー運転手の研修期間について（tr16.jp）

経験不測の運転手

🕳️ 制度の緩和が引き起こす業界の闇

制度の緩和は歓迎される一方で、以下の問題も指摘されています。

安全性の低下：
短期教育ではリスクマネジメントや安全運転技術が不十分になる可能性。

職場環境の悪化：
未熟な新人によりベテランの負担が増大し、職場にひずみが生じる。

イメージ悪化：
トラブル増加でタクシー業界全体への信頼が失墜する恐れ。

さらに、悪質な教習所による”詰め込み型”の教習が蔓延することで、形式的に資格を持っただけのドライバーが増える懸念もあります。実技や接客が不十分なまま現場に送り出されることで、利用者の安心感やサービス品質が損なわれてしまいます。

また、都市部ではAI配車やライドシェアサービスとの競争も激化しており、タクシー業界の信頼と品質が今後の生き残りの鍵となる中で、今回のような制度緩和が裏目に出る可能性もあるのです。

出典：内閣府：規制改革会議資料（PDF）

【AERA一部抜粋】
「3日で取れる」タクシー免許　本当に大丈夫？　関係者が「理解できない」とあきれるその理由とは

　タクシーやハイヤーの運転に必要な「普通2種免許」が最短3日で取得できる──。警察庁が4月17日に明らかにした、受講すべき教習時限数を削減する道路交通法施行規則改正案。
「タクシー運転手が不足している」ことへの対策として教習時限数を現行の40時限から29時限に減らし、取得までの最短教習日数は6日から3日に短縮されるというもので、5月17日まで行ったパブリックコメント（意見公募）の結果公表を経て、9月1日の施行をめざすという。
人材確保のために免許取得のハードルを下げた形だが、一方で「命に関わることなのに」などと安全面について懸念の声もあがる。今回の改正案、私たち利用者はどう見るべきなのだろうか。

出典：「3日で取れる」タクシー免許　本当に大丈夫？　関係者が「理解できない」とあきれるその理由とは | AERA DIGITAL（アエラデジタル）