【ヤムおじさん】乾パンを嫌う悲しい過去を考察！町を去る理由とは

NHKの連続テレビ小説『あんぱん』に登場するヤムおじさん（屋村草吉）は、独特の存在感と温かな人柄で多くの視聴者の心に残る人物です。しかしその優しい笑顔の裏には、過酷な戦争体験と深いトラウマが隠されていました。本記事では、彼が乾パンを嫌う理由と、町を去るに至った切ない決断について、最新の情報とともに徹底的に考察します。

■ ヤムおじさんとはどんな人物か？

ヤムおじさんこと屋村草吉は、東京のパン職人として長年にわたり腕を磨いてきた熟練のベテランです。物腰柔らかく、いつもパンに対して真摯で、若者たちにも丁寧に技術を教える姿勢が印象的です。彼のパン作りには、愛情と哲学が詰まっており、ただの料理ではなく「生きること」そのものを象徴しているかのようです。

そんなヤムおじさんには、戦争にまつわるつらい過去があり、それが現在の彼の行動や思想に大きく影響しています。その象徴的なエピソードが「乾パン嫌い」です。

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ヤムおじさんはどんな人？
ヤムおじさん（屋村草吉）は、東京で修業を重ねた熟練のパン職人で、穏やかで教え上手な人柄が魅力です。パン作りに深い愛情と哲学を持ち、「生きること」を体現する存在でもあります。戦争体験からくる乾パンへの強い拒否反応が、彼の過去と心の傷を物語っています。

■ 乾パン嫌いの理由：戦地での衝撃体験

若き日のヤムおじさんは、銀座の名店「美村屋」で修行を積んだのち、更なる技術習得を目指してカナダに渡りました。しかし、そこで彼を待っていたのは、戦争の渦中に巻き込まれる過酷な運命でした。第二次世界大戦が勃発し、カナダに滞在していた日本人の一部はイギリス連邦軍の一員として徴用され、前線に送られたのです。

戦地では、食糧事情が極端に悪化し、乾パンが主食として配給されていました。ある日、彼が乾パンをかじった直後、隣にいた仲間が銃撃に倒れるという凄惨な出来事が起こります。パンを食べるという何気ない行動が「死」と直結したその瞬間は、彼の中に深く刻まれ、以降乾パンを口にすることができなくなったのです。

乾パンは単なる保存食ではなく、彼にとっては「戦争の象徴」「生死を分けた記憶の引き金」となったのです。パン職人としての誇りと、乾パンへの忌避感。その矛盾が彼の内面に複雑な葛藤を生んでいたことは間違いありません。

ヤムおじさんが乾パンを嫌う10の理由（考察）

戦地での凄惨な記憶が蘇るから

　乾パンを口にするたび、戦地で命を落とした仲間の姿がフラッシュバックする。特に「乾パンをかじった直後に銃弾が飛んできた」という体験が、トラウマとして深く根付いている。
乾パンが“死の味”として刻まれているから

　パン職人である彼にとって、本来パンは“生”の象徴。しかし乾パンは、飢餓と恐怖に支配された戦地で食べた“死の味”であり、職人として受け入れ難い存在だった。
仲間の死を象徴する食べ物だから

　乾パンを口にすると、戦場で共に過ごした仲間の笑顔や、最期の姿が蘇る。思い出すたびに心が引き裂かれるような痛みを覚えるため、避けている。
自分の手で焼いたことがないから

　ヤムおじさんは「柔らかく人の心を癒すパン」を焼き続けてきた職人であり、乾パンという“硬く無機質なパン”に愛情を込めたことがなかった。その距離感が、嫌悪感の正体でもある。
戦争に加担したという罪悪感があるから

　乾パンは軍隊の糧食であり、それを作ることは間接的に戦争に加担することになると感じていた。平和を願うヤムおじさんにとって、それは自らの信念を裏切る行為だった。
パン作りの哲学に反するから

　彼のパンは「ふんわり」「温かく」「日々の喜びを支える」存在。対して乾パンは、非常時のための無味乾燥な保存食。その思想的ギャップが、拒絶を生んでいた。
言葉にできない“不快感”が身体に染みついているから

　理屈では説明できないが、乾パンを見るだけで胃が重くなる、手が止まる、といった身体的な反応がある。これは長年の精神的ストレスが身体に蓄積された結果だと思われる。
乾パンの音・硬さが記憶の引き金になるから

　乾パンをかじる“ゴリッ”という音が、銃声や砲撃音を思い起こさせる。触感・音・匂い――五感が記憶と結びつき、無意識に拒否反応を引き起こしている。
無力だった自分を思い出すから

　戦場での彼は、パンも焼けず、人も守れず、ただ生き延びることに必死だった。その頃に食べていた乾パンは、自分の“無力さ”の象徴でもあり、直視できない。
“あの日”から時間が止まっているから

　戦争が終わり、街に平和が戻っても、心の中の“あの日”は今も続いている。乾パンはその時計を止めた象徴であり、向き合うことはすなわち、長年封印してきた自分の時間と向き合うことでもあった。

■ 町を去る決断：再び乾パンと向き合った夜

物語の中盤、朝田パンに陸軍から乾パンの大量発注が舞い込む場面があります。初めは激しく反発し、製造を拒否していたヤムおじさん。しかし、朝田パンの経営危機と釜次の真摯な想いに心を動かされ、彼は「一度だけ」乾パンを焼くことを決意します。

焼き上がった乾パンは見事な出来栄えでした。だが、それを焼いた夜、彼は静かに町を去ります。朝、のぶが姿を探していると、釜次は「もうあいつをこれ以上苦しめたらいかん」と一言。ヤムおじさんは、自身の限界を悟ったのでしょう。過去と向き合い、それを乗り越えようとしたが、それはあまりにも辛く、重すぎたのです。

彼の旅立ちは、逃避ではなく、「再出発」のための儀式だったのかもしれません。

町を去る理由とは
ヤムおじさんは、陸軍の乾パン発注に一度は反発しますが、店と仲間のために「一度だけ」と決意して焼き上げます。しかし、その夜、心の限界を感じて静かに町を去ります。その旅立ちは、過去と向き合った末の“逃避”ではなく、“再出発”への第一歩だったのかもしれません。

■ ヤムおじさんの再出発と“パンの哲学”

ヤムおじさんは、パンを「生きること」と重ね合わせていました。柔らかくふくらむパンのように、人もまた愛情や時間をかけて育まれる。そんな信念を持つ彼が、乾パン――焼き締めて硬く、保存に適するが味気ない――を作ることは、自分の信念と向き合う究極の試練だったのです。

戦争が終わり、時代が変わっても、心の傷は簡単には癒えません。それでもパンを作り続けるということは、癒しであり、祈りであり、過去との対話でもありました。乾パンを焼いたあの日、彼は過去と決着をつけ、ようやく“次の一歩”を踏み出す決心がついたのかもしれません。

今後の物語で再び彼が登場するのか、視聴者の期待は高まっています。

パンの哲学とは
ヤムおじさんにとってパンは「生きること」そのものであり、乾パンは信念と過去に向き合う試練でした。焼いた日、彼は心の傷と決着をつけ、“次の一歩”を踏み出す覚悟を決めたのでしょう。再登場への期待が高まっています。

【デイリー　一部抜粋】
朝ドラファン聞き逃さず　「あんぱん」ヤムおじさん一瞬の鼻歌が懐かし過ぎる

　この日の「あんぱん」では、のぶ（今田美桜）が、学校に講演にきた軍人から、朝田パンで兵隊用の乾パンを作って欲しいと依頼される。名誉なことだとのぶは喜んで釜次（吉田鋼太郎）らに報告。家族も喜ぶが明らかに不機嫌な人間が２人。蘭子（河合優実）とヤムおじさんだった。

　のぶはヤムおじさんに頼もうと風呂から戻ったところを不意打ち。ヤムおじさんは「バドジズデジドダ～」とご機嫌だったが、いきなり飛び出してきたのぶに「びっくりした、脅かすなよ」と仰天。だが陸軍に降ろす乾パン製作を頼まれると「嫌だね。その話断ってくれ」「オレは嫌なもんは嫌なんだ」と断固拒否する。

出典：朝ドラファン聞き逃さず　「あんぱん」ヤムおじさん一瞬の鼻歌が懐かし過ぎる【ネタバレ】/芸能/デイリースポーツ online