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退職金1,000万円で税金はいくら払うの?勤続15年のケースでは!

60歳で定年退職する画像。会社のみんなから花束を渡されて泣いている 老後

退職金1,000万円・勤続15年の場合の税金シミュレーション

① 退職金の税金の基本ルール

退職金を受け取る際、多くの方が気になるのが「いくら税金が引かれるのか?」という点です。通常の給与とは異なり、退職金には特別な税制優遇が設けられており、「退職所得控除」や「1/2課税」などによって税負担が大幅に軽減される仕組みになっています。

まずは、退職金に課税される流れを整理してみましょう。

退職所得 =(退職金 − 退職所得控除額)× 1/2

このように、退職金から「退職所得控除額」を差し引いたうえで、その金額を半分に圧縮して課税対象とします。これが「退職所得」と呼ばれるもので、この金額に対して所得税と住民税が課税されます。

この優遇措置により、長期間勤務して退職金を得た方ほど税負担が軽くなる傾向があります。

 

② 退職所得控除額の計算

退職所得控除額とは、税金のかからない金額を意味します。勤続年数に応じて決まり、次のように計算されます。

  • 勤続年数が20年以下の場合:40万円 × 勤続年数

  • 勤続年数が20年を超える部分:70万円 × 勤続年数(超過分)

  • 最低でも80万円は控除されるようになっています。

今回のケース(勤続年数15年)の計算:

  • 控除額:40万円 × 15年 = 600万円

つまり、1,000万円の退職金のうち、最初の600万円は非課税となり、課税対象になるのは差額の400万円のみです。

 

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③ 課税対象となる退職所得の算出

退職所得控除額を差し引いた金額が、課税対象として扱われますが、それをさらに1/2にすることで最終的な退職所得が決定します。

  • 退職金の総額:1,000万円

  • 控除額:600万円

  • 差額:400万円

  • 退職所得:400万円 × 1/2 = 200万円

この200万円が、実際に課税される金額です。なお、退職金の一括受取であれば、分離課税で処理され、ほかの所得と合算されないため、税率が抑えられる点も特徴です。

 

④ 所得税の計算(退職所得に対する分離課税)

退職所得には、通常の給与所得とは異なる「分離課税」が適用され、累進課税表に基づいて計算されます。今回の200万円の退職所得は、以下の税率帯に該当します。

  • 税率:10%(195万円超〜330万円以下)

  • 控除額:97,500円

所得税の計算: 200万円 × 10% − 97,500円 = 102,500円

また、2013年から導入された「復興特別所得税(2.1%)」が所得税に対して追加で課税されます。

  • 復興特別所得税:102,500円 × 2.1% ≒ 2,152円

  • 合計所得税額:102,500円 + 2,152円 ≒ 104,652円

このように、退職金にかかる所得税は計算の結果、約10万円台前半に抑えられることがわかります。

 

⑤ 住民税の計算

住民税についても退職所得に対して課税されますが、その税率は一律で10%です。都道府県民税と市区町村民税を合わせた割合で、控除は基本的にありません。

  • 課税退職所得:200万円

  • 住民税:200万円 × 10% = 200,000円

住民税は退職後の翌年度にまとめて納付するか、特別徴収で源泉される場合もあります。自治体によって異なるので、詳細は市区町村に確認するのが安心です。

 

⑥ 合計の税金と手取り額

それでは、所得税と住民税の合計と、実際に手元に残る退職金の金額をまとめてみましょう。

項目 金額
所得税(概算) 104,652円
住民税 200,000円
合計税額 約304,652円
退職金手取り額 約9,695,348円

このように、退職金の1,000万円のうち、実際に納める税金は約30万円程度にとどまり、手取りは970万円を超えます。税制優遇の恩恵が非常に大きいことがわかります。


✅ 補足事項と注意点

  • 会社都合退職・自己都合退職の違いは、税金計算に大きく影響しません。

  • 特定役員や勤続年数5年以下の高額退職金には、1/2課税が適用されないなどの例外があります。

  • 退職金を複数回受け取るケースでは、退職所得控除の使い方に注意が必要です。

  • **退職金の分割受取(年金方式)**と一括受取では、課税方式が異なるため、受け取り方の選択が税額に影響します。

  • 退職のタイミングや退職理由によっては、税金以外にも社会保険料や失業給付の条件が変わる可能性があります。

 

 

退職金にかかる税金

 退職金は、勤務先に所定の手続をしておけば、源泉徴収で課税関係が終了しますので、原則として確定申告をする必要はありません。

 退職金は、通常、その支払を受けるときに所得税等や住民税が源泉徴収又は特別徴収されます。この退職金は、長年の勤労に対する報償的給与として一時に支払われるものであることなどから、退職所得控除を設けたり、他の所得と分離して課税されるなど、税負担が軽くなるよう配慮されています。なお、退職所得についても源泉徴収票が交付されます。

出典:国税庁

 

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✅ まとめと今後の対応

勤続15年で退職金が1,000万円の場合、所得税+住民税で約30万円強の税金がかかり、実際の手取りは約9,695,000円ほどとなります。

このように、退職金は非常に優遇された税制によって守られており、安心して老後の資金として活用できる制度となっています。退職前に自分のケースでどれだけ税金がかかるのかをしっかり把握しておくことは、資産形成やライフプランの面でも非常に重要です。

退職金の額や勤続年数が異なる場合、または再就職などがある方については、それに応じた個別の計算が必要になります。詳細な試算が必要な場合は、税理士に相談するか、シミュレーションツールを活用してみるとよいでしょう。

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