【高速道路】逆走は罰金いくら?事故を起こしたら保険は適用?
1. 高速道路での逆走とは?
高速道路での逆走とは、一般的に本来の進行方向とは反対側に車両が進入し走行する行為を指します。この行為は道路交通法第17条に違反する「通行区分違反」に該当し、非常に危険な行動です。特に高速道路は制限速度が高いため、逆走車と正規走行車の衝突事故は極めて重大な結果を招きます。近年では高齢ドライバーによる逆走が多発しており、認知機能の低下や標識の見落としが主な原因とされています。社会全体で高齢者の免許返納推進や、運転技能チェック制度の拡充などの対策が急務となっています。
高速道路では衝突事故のリスクが極めて高く、特に高齢ドライバーによる認知機能低下や標識見落としが原因の逆走が問題となっています。社会全体で免許返納促進や運転技能チェック強化が急務です。
2. 逆走に対する罰則
通行区分違反(事故を起こさなかった場合)
・反則金:普通車で9,000円
・刑事罰:3月以下の懲役または5万円以下の罰金
逆走自体が発覚した時点で、違反点数と反則金の対象となりますが、事故に至らなかったとしても重大な危険行為として刑事罰が科される可能性もあります。特に公共の安全を脅かした場合には厳罰化される動きも見られます。
事故を起こした場合
・行政処分:死亡事故で62点、負傷事故で55点(免許取消の可能性)
重大な結果を引き起こした場合には、通常の交通違反とは異なり、刑事責任が問われます。死亡事故を起こした場合にはほぼ確実に免許取消となり、その後の再取得も困難になります。
参考:行政書士秋山事務所
3. 逆走事故と保険の適用
高速道路で逆走による事故が発生した場合でも、基本的には自賠責保険や任意保険の対人賠償保険は適用されます。これは、被害者救済の観点から保険制度が設計されているためです。しかし、加害者側が逆走という重大な過失行為をしていた場合、過失割合が大きくなるため、保険会社との交渉が難航するケースもあります。場合によっては、任意保険会社からの支払いに制限がかかる、あるいは保険更新時に大幅な保険料引き上げが行われることもあります。
また、被害者側にも軽微な過失(たとえば制限速度違反や注意義務違反)が認められると、受け取れる慰謝料や損害賠償額が減額される可能性があるため、事故後の対応が重要になります。
高速道路では衝突事故のリスクが極めて高く、特に高齢ドライバーによる認知機能低下や標識見落としが原因の逆走が問題となっています。社会全体で免許返納促進や運転技能チェック強化が急務です。
参考:ソニー損保、VSグループ法律事務所
4. 逆走事故の過失割合
逆走事故においては、基本的には逆走車両側に90%以上の過失が認定されるのが一般的です。しかし、被害者側にも前方不注意、スピード違反、脇見運転といった事情がある場合は、一定程度の過失割合が加算されることがあります。
具体例として、被害者車両が明らかに制限速度を超えて走行していた場合、逆走車が原因であっても被害者側の過失が1~2割程度加味されるケースも報告されています。最終的な過失割合は事故状況や双方の証言、防犯カメラ映像、ドライブレコーダー映像などに基づいて細かく判断されます。
参考:アヴァンス法務事務所
5. 逆走を防ぐために
逆走事故を未然に防ぐためには、以下のような対策が重要です。
特にIC出入口付近や分岐点では、進入禁止や一方通行の標識に十分注意する必要があります。
・ナビゲーションを活用する:
カーナビやスマートフォンアプリの地図機能を使い、進行方向を常に確認する習慣をつけましょう。万が一間違えた場合も、すぐに停車して確認する冷静さが求められます。
・高齢者ドライバーの運転能力チェック:
高齢ドライバーの場合、認知機能低下の兆候があれば運転免許の返納や、定期的な運転技能検査を受けることが推奨されます。家族による声かけも重要です。
さらに、逆走を検知する道路設備の導入も進められています。例えば、高速道路の一部には、逆走車を感知すると警告灯を点滅させるシステムが導入されており、今後の普及が期待されています。
高速道路での逆走は、一瞬の判断ミスから命を奪う大事故につながる極めて深刻な問題です。ドライバー一人ひとりが意識を高め、確実な安全運転を心がけることが社会全体の安全につながります。
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