江藤農水相、「米を買ったことがない」発言の波紋:支援者からの寄付が常態化?
2025年5月18日、佐賀市で開催された自民党佐賀県連の政治資金パーティーにて、江藤拓農林水産大臣が放ったひと言が物議を醸しています。
「私はコメを買ったことはありません。支援者の方々がたくさんくださるので、まさに売るほどある」
この発言に対し、ネット上やメディアからは厳しい批判が殺到。庶民感覚からかけ離れたこの発言は、物価高騰が続く中での無神経さと取られ、多くの国民の怒りを買いました。特に、物価上昇に悩む家庭にとって食費の削減は喫緊の課題であり、農水相が日常的にコメを「もらっている」という発言は不公平感を助長しています。

江藤農水相の「米を買ったことがない」発言は、物価高に苦しむ庶民感覚と大きく乖離し、ネット上で強い批判を招きました。食費節約が課題の中、支援で米を得ている発言は不公平感を強めています。
問われる政治家のモラルと金銭感覚
江藤氏は翌19日、「玄米の消費拡大を訴えたかった」と釈明し、「定期的にコメは購入している」「個人からの頂き物で、売るほどあるというのは言い過ぎた」と弁明しました。しかし、発言の撤回はせず、“修正する”との姿勢を見せ、真意がどこにあったのか疑念を残しました。
この発言が特に問題視されるのは、政治家としてのモラルや金銭感覚のズレです。支援者から日常的に食料を贈与されているとすれば、それが恒常的な便宜供与にあたるかどうかが問われます。また、こうした贈与が政治資金規正法や公職選挙法の規制対象に該当するかは非常に重要な論点です。
専門家からは「贈与の頻度や金額、関係性によっては収賄の疑いも排除できない」との声もあり、透明性の確保が急務です。公職にある者としての倫理観が求められる中、こうした発言が許容される風潮が続けば、国民の政治不信を一層招く恐れもあります。
公職選挙法では、有権者(選挙区内の人)から公職者への寄付や贈与は禁止されています。これに違反すると、贈与した側も受け取った側も罰則を受ける可能性があります。政治資金規正法でも、一定額以上の寄付や物品の提供には記録・報告義務が課されており、これに反すると政治資金規正法違反に問われます。

公職選挙法では、有権者から公職者への寄付や贈与は禁止され、違反すれば双方に罰則が科されます。政治資金規正法でも、一定額以上の寄付や提供物には記録・報告義務があり、違反すれば処罰対象となります。
江藤氏は「玄米の消費拡大を意図した」と釈明しつつも、「米は定期的に購入している」と弁明。一方で「支援者からもらっている」との発言は修正にとどまり、真意は不透明なままです。
支援者からの継続的な贈与は、場合によっては収賄に該当する可能性もあり、政治家のモラルや法的整合性が問われています。
透明性の欠如は、政治不信をさらに深めかねません。
江藤農水相「米買ったことない」「売るほどある」と発言 その後釈明
江藤拓農水相(衆院宮崎2区)が18日に佐賀市内で開かれた自民党佐賀県連の政治資金パーティーで、「コメは買ったことありません。支援者の方々がたくさんコメを下さるので」などと発言した。その後、コメの価格高騰が続くなかでの配慮を欠いた発言と認め、「言い過ぎた」と釈明した。
江藤氏は政府の対応について「(備蓄米放出を)3回やった。(価格が)下がりません。大変責任を感じている。流通は難しい」と説明。卸を介在させず、集荷業者から直接小売業者に流通させる対策を考えているが、玄米を精米できない小売業者がいることを課題に挙げた。
その際、「私もコメは買ったことありません。支援者の方々がたくさんコメを下さるので。売るほどある、家の食品庫には」と述べ、自宅で行っているという玄米の精米過程について語った。
江藤氏は19日、この発言について記者団から問われ、「玄米でもぜひ消費者の方々に手にとってほしいということを強調したかった」と釈明。定期的にコメを購入しているとし、「個人からの頂き物で、売るほどあるというのは言い過ぎた」と述べた。発言の撤回はせず「修正する」とした。
出典:江藤農水相「米買ったことない」「売るほどある」と発言 その後釈明 [令和の米騒動]:朝日新聞
参考:「米は買ったことない」江藤農林水産大臣 修正し撤回 石破総理と会談後に陳謝も | NHK | 農林水産省
備蓄米問題とのダブルパンチ
さらに江藤農水相は、コメ価格の高止まり問題についても「3回備蓄米を放出したが価格が下がらない。責任を感じている」と述べ、現行の制度では対応が難しいことを示唆しました。備蓄米の流通において、玄米販売や卸業者を通さずに小売業者へ直接流す流通改革も検討中とのことです。
ただし、現場からは「玄米では精米設備がない店もある」「保管や販売に手間がかかる」といった実務上の課題が指摘されており、単なる制度改革だけでは根本的な解決に至らない懸念も残ります。また、地方の小規模農家からは「備蓄米の放出が逆に価格下落圧力になっている」との声もあり、バランスのとれた施策が求められています。
消費者の中には「まずは農水相自身が市場からコメを買うべきでは?」との声も多く、自らの生活感覚と国民生活との乖離が疑問視されています。消費者に節約や国産米の消費を呼びかけるならば、自らがその実践者であるべきという基本姿勢を問う声が高まっています。

消費者からは「まずは自身が米を買うべき」との批判も強まっています。
江藤農水相は、備蓄米を3度放出しても価格が下がらず「責任を感じている」と述べ、玄米の直販など流通改革を検討中です。しかし、精米設備の不足や管理の手間といった課題が現場で指摘され、効果には疑問も。
消費者からは「農水相こそ市場で米を買うべき」との声も上がり、現実とのズレが批判を招いています。
「庶民の生活」とかけ離れた政治家像
今回の発言から改めて浮き彫りになったのは、政治家がどれほど庶民感覚と乖離しているかという厳然たる事実です。コメの贈与を当然と捉え、それが違法かどうかも自覚が薄いとすれば、大臣としての資質が問われても仕方がありません。
また、政治家が支援者から物品を受け取るという構図自体が、現代のクリーンな政治を求める風潮と矛盾しています。たとえ法的に問題がないとしても、モラルの観点から説明責任を果たす姿勢が不可欠です。
こうした問題を放置したままでは、若い世代を中心に政治への無関心・不信が加速する恐れがあります。今後、政治家の倫理観や説明責任のあり方が、選挙戦の争点として浮上してくる可能性もあるでしょう。
「庶民の生活」とかけ離れた政治
江藤氏の発言は、政治家と庶民感覚の乖離を改めて浮き彫りにしました。支援者からの贈与を当然とする姿勢は、法的に問題がなくても倫理的に疑問視されます。
説明責任を果たさなければ、政治不信や若年層の無関心がさらに深まる恐れがあります。
今後の展開に注目
江藤氏の発言とその釈明は、今後の農水行政への信頼性を大きく左右する可能性があります。特に、物価の上昇と食料安全保障の重要性が高まる中で、農水相の一言一言には重みがあります。
贈与の実態や寄付の範囲について国会での質疑が行われる可能性も高く、記録や領収書の開示を求める動きが出るかもしれません。また、政党としても内部調査やルールの明確化が求められる場面に直面するでしょう。
最終的には、こうした疑念を払拭するためには、政治家個人の姿勢と政党のガバナンスが試されることになります。国民が政治家に何を求め、何を許さないのか——民主主義の根幹が、今まさに問われているのです。
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