【備蓄米】随意契約の61社を全て公開！

2025年5月、農林水産省は政府が備蓄しているコメ（備蓄米）について、随意契約方式により売渡しを行う企業61社のリストを公式に公表しました。
これらの企業は、日常的な流通網を持つだけでなく、非常時における迅速かつ安定した供給体制の構築を担う存在として選定されています。近年、地震や台風、感染症拡大などによって供給網が不安定になった経験を踏まえ、政府は備蓄米の供給経路を多様化する方向へと舵を切りました。
その一環としての随意契約制度により、広範囲かつ柔軟な販売網の整備が期待されています。

【備蓄米】放出する米が尽きたらどうなる！残りの在庫はどのくらい？
【古古古米】政府が業者に5kgあたりいくらで売ったのか？随意契約の裏側に迫る
【備蓄米】古古古米は家畜肥料になる米！味や臭いは大丈夫なの？

＜＜＜人気商品＞＞＞

備蓄米の随意契約が確定した61社一覧

以下は、2025年5月時点で農水省より発表された、随意契約による備蓄米の販売企業リストです。大手スーパーマーケットチェーンやコンビニエンスストア、生協、さらにはオンライン販売事業者まで、幅広い業態が名を連ねています。

このリストの中には、日常的に利用している店舗名も多く含まれているため、消費者にとってはより手に入りやすい形で備蓄米が流通する可能性が高まっています。また、地方に密着した中小企業も含まれており、全国的な安定供給を支える分散型ネットワークの一翼を担っています。

【備蓄米61社の申し込み量リスト】どの社にどれくらい引き渡される？　随意契約申し込みが確定した61社を紹介

　農林水産省は29日、随意契約で放出する備蓄米のうち大手の小売業者61社による申し込みが確定したと発表した。　以下は随意契約の申し込みが確定した61社のリスト。

・イオン商品調達（20,000）
・コスモス薬品（20,000）
・パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス（15,000）
・サンドラッグ（12,866）
・オーケー（10,500）
・アイリスアグリイノベーション（10,000）
・楽天グループ（10,000）
・OICグループ（10,000）
・アスクル（10,000）

・ヤオコー（9,944）
・万代（8,000）
・諸長（6,000）
・JMホールディングス（6,000）
・ゲンキー（6,000）
・カインズ（5,000）
・シジシージャパン（5,000）
・イトーヨーカ堂（5,000）
・ミスターマックス（4,980）
・コープデリ生活協同組合連合会（4,000）
・マルアイ（2,600）
・富士薬品（2,600）
・ライフコーポレーション（2,500）
・サンディ（2,500）
・マミーマート（2,500）
・サンエー（2,300）
・アマゾンジャパン（2,025）
・関西フードマーケット（2,000）

・日本生活協同組合連合会（1,520）
・ヨークベニマル（1,500）
・タイヨー（1,500）
・生活協同組合コープさっぽろ（1,500）
・ゼンショーホールディングス（1,200）
・ベルク（1,200）
・イズミ（1,200）
・アクシアルリテイリング（1,110）
・大黒天物産（1,000）
・リテールパートナーズ（1,000）
・ベイシア（1,000）
・佐竹食品（1,000）
・百萬粒（1,000）
・平和堂（1,000）
・エイヴイ（1,000）
・コストコホールセールジャパン（680）
・ドラッグストアモリ（620）

・クスリのアオキ（500）
・オークワ（500）
・サンベルクス（500）
・バローホールディングス（450）
・三和（300）
・生活協同組合コープこうべ（210）
・藤井商店（180）
・タカラ米穀（150）
・アークス（150）
・松原米穀（100）
・クリエイトエス・ディー（100）
・PLANT（80）
・タイヨー（48）
・木下商店（36）
・東穀（20）
・JAライフ富山（12）
・宮城商事（10）

出典：【備蓄米61社の申し込み量リスト】どの社にどれくらい引き渡される？　随意契約申し込みが確定した61社を紹介：東京新聞デジタル

随意契約とは？

随意契約とは、国や自治体などの公的機関が、競争入札を行わずに特定の企業と直接契約を結ぶ方式を指します。この制度は、通常の競争入札では対応しきれない緊急性や専門性、流通網の確保といった要素を考慮して実施されるものであり、特に食料のように命に関わる供給物資においては極めて重要な制度とされています。

備蓄米の販売における随意契約では、政府が定める基準を満たした企業のみが選定され、消費者が平時から購入できるようになると同時に、災害や非常事態時には迅速な供給が可能となる体制が整えられています。対象企業は、取扱品目や流通実績、販売能力、地域の人口規模などを総合的に評価されており、まさに「信頼と実績」のある企業群です。

備蓄米の購入方法と注意点

消費者が政府の備蓄米を購入するには、上記に記載された契約企業の実店舗やオンラインストアを活用する方法があります。たとえば、楽天市場やロハコでは、インターネットを通じて自宅から簡単に注文できるようになります。また、ドン・キホーテやイオン、コープなどでは、店頭での直接購入も可能とされ、日々の買い物の中で手軽に入手することができる点が魅力です。

ただし、販売開始時期や対象商品、価格帯は企業によって異なります。また、一部の地域では在庫の偏りや流通事情により、入荷が遅れるケースも想定されます。最新の情報は各企業の公式ウェブサイトや店舗にて随時確認することが重要です。

なお、備蓄米には等級や年産、精米日などの表示が義務付けられており、購入時にはその内容を確認することで、より納得のいく買い物が可能になります。特に古米や古古米などは、安価で手に入る反面、食味が落ちる場合もあるため、用途（備蓄用、加工用、普段使いなど）に応じた選定が求められます。

まとめ

政府による備蓄米の随意契約制度は、単なる販売スキームではなく、日本の食料安全保障の根幹を支える制度といえます。61社という広範な流通網により、全国津々浦々で政府備蓄米を購入できる環境が整えられつつあります。

特に、災害の多い日本においては、食料の安定供給は生命線ともいえる重要課題です。随意契約による備蓄米の販売制度は、消費者にとっての安心材料となるだけでなく、平時からの備えを促す社会的なメッセージとしての意味も持ち合わせています。

今後、対象企業の拡大や販売方法の多様化などにより、より柔軟かつ効果的な制度へと進化していくことが期待されています。私たち一人ひとりが、この制度を正しく理解し、日常の中で活用していく姿勢が、日本の未来の食卓を守る力になるでしょう。