【大阪万博】30年前の『こち亀94巻』が万博を予言？両津勘吉の痛烈な一言が現実に！

大阪万博に立ちはだかる課題

2025年に開催予定の大阪・関西万博は、その華やかなビジョンとは裏腹に、建設費の膨張や運営の不透明さなど、数多くの課題に直面しています。

そんな状況の中、注目を集めているのが、1990年代に連載されていた国民的人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』（通称『こち亀』）の第94巻。

この巻に収録された「未来博」のエピソードが、まるで現代の万博の姿を予見していたかのような内容で、SNSやメディアで大きな話題となっています。

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こち亀94巻のあらすじ

両津勘吉が「未来博覧会」の会場で働くことになります。会場では、近未来をテーマにした数々の最新テクノロジーや交通マシンが展示されており、空飛ぶバイクやチューブ状の移動装置など、まるでSF映画のような光景が広がっています。

しかし、両津が関わると案の定トラブルが続発。無茶な運転や実験的なマシンの暴走、過剰演出などによって、未来博の会場は次第に混乱と破壊の連続に。

さらに両津は、「金儲けに走った未来博はロクなもんじゃねぇ！」と痛烈な一言を放ち、当時はフィクションだったそのセリフが、後年の大阪万博の問題点（建設費の高騰、実用性のない設備など）とリンクするようになり、近年SNSで再注目されています。

両津勘吉の発言が30年の時を超えて響く？

物語の中で、主人公の両津勘吉は「未来博」と呼ばれる架空の万博会場でアルバイトとして働くことになります。そこで彼が放ったセリフが、まさに現実を突く“予言”のような内容でした。

【94巻一部抜粋】
同僚：「切符は500万枚売れていると言ってたぞ！」

両津：「企業同士で券を買い取って内輪でさわいで税金で経費をおとす気だろ！

客が来ても来なくてもいいんだよ！企業の節税のお祭りみたいなもんだから！

いまどき博覧会なんて行きたいか？何時間も列をつくってまずい食事をしてよ！」

（背景には、パビリオン前に長蛇の列をつくる来場者、会場では地元企業が配布するチラシに群がるビジネスマンたちの姿が描かれる。両津はその様子を見てため息をつきながら、さらにこう続ける）

【94巻一部抜粋】
両津：「そもそも、こんなもん建てたって誰が得すんだ？

利権まみれの建設業者と政治家連中が喜ぶだけじゃねぇか！

国民の税金でパビリオン建てて、入場料まで取ってさ！国民はATMじゃねぇんだぞ！」

同僚：「お前の言い方って、いつも極端なんだよ……でも、なんか納得しちゃうな」

この辛辣な一言は、企業がチケットを一括購入して経費処理を行うことで節税に活用するという仕組みを痛烈に皮肉っており、現在の大阪万博のスポンサー企業の動きとも奇妙に重なります。まるで30年後の未来を見透かしていたかのような両津の発言は、漫画の域を超えて一種の“風刺文学”として再評価されています。

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社会派エンタメとしての『こち亀』の底力

『こち亀』は、1976年から2016年まで40年間にわたって連載された超ロングラン作品であり、その中で幾度も時事問題や社会風刺を取り扱ってきました。
両津勘吉という型破りなキャラクターを通して描かれる社会の矛盾や問題点は、読者の共感と笑いを誘うと同時に、鋭い洞察として心に残るものがあります。
今回再注目された「未来博」のエピソードも、まさにその象徴であり、フィクションでありながら現実に強くリンクしている点が『こち亀』の魅力を改めて浮き彫りにしています。

まとめ：未来を映す鏡としての漫画の力

今回の『こち亀』再評価の動きは、漫画というエンターテインメントの枠を超えた社会的価値を感じさせるものです。
30年前の作品が、今まさに問題視されている現実と重なることに驚きを覚えると同時に、創作の持つ予見性や風刺性の重要さを再認識させられます。
大阪万博の行方に注目が集まる中で、我々は過去の作品から何を学び、どう未来を見つめ直すべきかを考えるきっかけになるのではないでしょうか。