アンゴラパビリオン工事費未払い問題とは?下請け業者の苦境を追う
2025年の大阪・関西万博に出展している「アンゴラパビリオン」が、万博開幕直後から休館状態にあることが注目を集めています。その背景には、深刻な”工事費未払い”問題が隠されていました。今回は、最新の報道を元に、問題の全貌と下請け業者の声をまとめ、建設業界の構造的課題や法制度の問題点まで掘り下げていきます。
■ アンゴラパビリオン、開幕翌日から休館
アンゴラパビリオンは開幕初日に一度営業した後、”技術的な問題”を理由に閉館。その裏には、工事費用の未払いによる施工業者とのトラブルがあるとされています。表向きには調整中とされていますが、実際には建設に関わった業者への支払いトラブルが原因で作業が完全にストップしており、再開の目処は立っていません。
関係者によると、完成直前の突貫工事も多く、業者側は”過酷な条件下”で施工を完了させたものの、報酬が支払われていない状況に怒りと絶望を感じているといいます。
【アンゴラパビリオン、開幕翌日から休館】
大阪万博のアンゴラパビリオンは、開幕初日に一度営業したものの、翌日から「技術的な問題」を理由に休館。しかし実際は、建設業者への工事費未払いによるトラブルが原因で作業が停止しており、再開の見通しは立っていません。
関係者によれば、過酷な突貫工事の末に完成したにもかかわらず報酬が支払われておらず、業者側には怒りと失望が広がっています。
■ 未払い額は4000万円超 下請け業者が証言
報道によれば、5次下請け業者のAさん(仮名)は、2025年2月からパビリオンの建設に携わっていました。しかし、工事を発注した4次請け企業からの支払いが止まり、最終的に約4300万円が未払いのままになっています。
Aさんは「4月末に入金予定だったが延期され、5月に入っても支払いがなく、会社の資金繰りが破綻寸前」と語っています。従業員への給料支払いにも支障が出ており、業務の継続すら危ぶまれる状況です。
【アンゴラパビリオン 未払い額は4300万円超】
5次下請け業者のAさん(仮名)は、2025年2月からアンゴラパビリオンの建設に参加。
しかし、4次請け企業からの支払いが滞り、約4300万円が未払いのままに。
Aさんは「4月末の入金予定が延期され、5月に入っても支払いがなく、資金繰りが限界」と語り、従業員の給料支払いにも影響が出ている深刻な状況です。

■ 支払い不能の背景に内部トラブルも
4次請け企業のX社代表は、報道陣に対して「従業員が金庫の現金を持ち逃げした」と説明。これが支払い不能の原因と主張していますが、真偽は定かではありません。こうした説明に対して、他の関係者からは「言い訳に過ぎない」「元々資金繰りが厳しかったのではないか」との指摘も出ています。
【4次請け企業の弁明に疑問の声】
4次請け企業X社の代表は、支払い不能の理由について「従業員が金庫の現金を持ち逃げした」と説明。
しかし、この主張に対し他の関係者からは「言い訳に過ぎない」「元々資金繰りが厳しかったのでは」と疑問の声が上がっています。真偽は不明で、不信感が広がっています。
■ 未払いの主な原因
1. 発注元(4次請け企業)の資金難
・4次請け企業は度重なる支払い延期を繰り返し、最終的に支払い不能に。
・業績悪化が続いていたことが周辺業者の間でも噂されていました。
2. 社内トラブル(現金持ち逃げ)
・X社代表が”金庫からの現金持ち出し”を理由にしていますが、信憑性は不明。
・仮に事実だとしても、経営管理上の問題が問われます。
3. 建設業許可の不備
・X社は建設業法に基づく許可を取得しておらず、無許可で工事を請け負っていた。
・建設業法では無許可業者による施工は禁止されており、違反時は罰則があります。
4. 万博側の監督体制の甘さ
・多重下請け構造により責任の所在が不明確。
・主催者側が施工体制を十分に把握していなかった可能性も指摘されています。
■ 建設業法違反の可能性も
さらに問題となっているのは、X社が建設業法に基づく許可を得ていなかった点です。大阪府によると、建設業を行うには知事または国交省の許可が必要であり、これを無許可で請け負っていた場合、法的処罰の対象になります。
このような違反が横行する背景には、建設現場における人手不足や価格競争の激化があり、元請け企業が安価な業者に仕事を回す傾向が強まっていることも影響しています。
【X社に建設業法違反の可能性】
X社は建設業の許可を取得していなかった疑いがあり、大阪府は建設業法違反の可能性を指摘。無許可での請負は法的処罰の対象です。
背景には人手不足や価格競争の激化があり、元請けが安価な業者に発注する傾向が強まっている実態も影響しています。
■ 下請け業者の生活への打撃
Aさんは「従業員への給料も払えず、倒産寸前」とコメント。複数の中小業者が同様の状況にあると見られ、万博関係者の信頼を大きく揺るがす事態に発展しています。
工事に携わった作業員の中には、すでに自己破産を検討している人や、次の仕事が見つからず生活が困窮しているケースもあるとされます。
【下請け業者の生活に深刻な影響】
Aさんは「給料も払えず倒産寸前」と語り、同様の被害を受けている中小業者も多数と見られます。作業員の中には自己破産を検討する人や、次の仕事が見つからず生活が困窮しているケースもあり、万博関係者への信頼が大きく揺らいでいます。
MBSNEWS 一部抜粋
万博パビリオンで「3億円未払い」下請け建設業者ら怒りの訴え「会社がいつ潰れるかわからない」 外資系の元請けXは”契約不履行” など主張開幕から1か月が経った大阪・関西万博。海外パビリオンの建設をめぐり、国内の複数の下請け業者が、“外資系元請けからの支払われるべき費用の一部が未払いになっている” と訴えていることがわかりました。
「急に支払いが滞った」1次下請けA社の訴え
5月13日で開幕から1か月となった大阪・関西万博。連日のにぎわいの一方で、ネパール館は1月から工事が止まり、開館のメドはたっていません。建設工事費の一部が支払われていないことが原因ですが、実は工事費の未払いトラブルは、ネパール館に限ったことではありません。
「もう本当に、会社がいつ潰れるかわからない」
関西にある中小規模の建設会社・A社の安藤さん(仮名)。A社は、参加国が独自に建設する「タイプA」パビリオンの建設工事を、海外に本社を置く外資系元請け業者Xから受注した、1次下請け業者です。海外パビリオンの1次下請け業者A社・安藤さん(仮名)
「工事中盤に差しかかって、終盤になるにつれて、急に支払いが滞った。“契約通りにそこからお支払い”というのが実行されなくなって、結局最後まで実行されないまま(建設工事が)完了したという形です」A社は、契約金の約40%と、仕様変更などでかかった追加工事費用が支払われておらず、未払い額は総額で8000万円にのぼると主張しています。何度も元請け業者Xに支払いを求めたといいますが…
「(Xの責任者からは)『絶対大丈夫だから心配するな』『もうすぐ来週にでも振り込む、なんなら今すぐにでも振り込む』っていう話をずっとされながら、実行されると期待していたのが、翌週になっても翌々週になっても、月末になっても降りてこない」「新たな契約書」への署名求められる…その内容とは
滞った支払いを何度も求めていた最中、元請け業者Xから新たな契約書がメールで送られ、署名を求められたといいます。その内容とは…
新たな契約書
「下請け業者は遅延1日につき、価格の2%のペナルティを支払う」「工事に欠陥があった場合、元請け業者はその修繕費用を下請け業者に支払う額から相殺できる」
つまり、工事の “クオリティ” が不十分と判断された場合、その修正工事の費用を契約金から差し引くなどという内容が、契約に加わっていました。出典:万博パビリオンで「3億円未払い」下請け建設業者ら怒りの訴え「会社がいつ潰れるかわからない」 外資系の元請けXは”契約不履行” など主張 | 特集 | MBSニュース
■ 万博運営側の対応は?
現時点で、万博運営側やアンゴラ側からの公式声明は出ていません。しかし、パビリオンの再開には相応の調整と補填措置が必要と見られています。
一部報道では、万博協会が実情調査に乗り出したともされていますが、関係企業の調整には時間がかかるとみられ、すぐの解決は難しい状況です。
【万博運営側は沈黙 続く調整】
万博運営側やアンゴラ側からの公式声明はなく、パビリオン再開には補填や調整が不可欠と見られます。
一部報道では万博協会が実情調査を開始したものの、関係企業間の調整には時間を要し、早期解決は困難な状況です。
万博協会の立場と対応
万博協会は、下請け業者からの問い合わせに対し、「参加国が元請け業者に工事費を支払っていないというトラブルであれば、参加国に指導できるが、今回の場合は民間同士のトラブルであり、関与することはできない」との見解を示しています。
また、吉村大阪府知事は、「工事費を支払うのは当然。民間同士の契約トラブルであっても、支払いをするよう相談を受け、協会も相談を受けているので寄り添って進めていきたい」と述べていますが、具体的な肩代わりや補填についての言及はありません。
【万博協会「民間トラブルには関与せず」】
万博協会は、今回の未払い問題について「民間同士のトラブルであり関与できない」との立場を表明。
一方、吉村大阪府知事は「支払いは当然」としつつも、補填や肩代わりには言及せず、「相談には寄り添って対応する」との姿勢にとどまっています。
MBSNEWS 一部抜粋
【速報】万博「アンゴラパビリオン」未払い業者は建設業の許可受けず 吉村知事「法に触れることあれば厳正に対処」未払いには「寄り添って対応していく」大阪・関西万博で休館が続くアンゴラパビリオンで工事費の一部が下請けの建設会社に支払われず、工事が中断していることがわかりました。また未払いの業者は建設業を営むのに必要な許可を大阪府などから受けていないこともわかりました。
こうした状況について、吉村知事は「工事費を支払うのは当然。民民とはいえ、支払いをするよう相談を受け、協会も相談を受けているので寄り添って進めていきたい。建設業の許可がないことは今調査しています。無許可業者について法に触れることがなかったかの調査をしていて、法に触れるようなことがあれば厳正に対処する」と話しました。
アンゴラパビリオンは開幕初日に1日だけ開館したものの、翌日から1か月以上休館状態が続いています。
関係者によりますと、工事費の一部が大阪市の業者から下請けの建設会社に支払われず、工事が中断していることがわかりました。
(下請け建設会社)「(未払いは)約4000万円ですね。その日にも入金がなくて何回も(大阪の業者に)電話しているが電話もでない」
業者はMBSの取材に対し「経営が悪化し支払えなかった」「これまで建設の実績はほぼなく許可も受けていない」と話し、休館について「責任を感じている」としています。
アンゴラパビリオンの再開めどはたっていません。
出典:【速報】万博「アンゴラパビリオン」未払い業者は建設業の許可受けず 吉村知事「法に触れることあれば厳正に対処」未払いには「寄り添って対応していく」 | MBSニュース
政府の対応
伊東良孝万博担当大臣は、「契約上の問題は当事者間の話し合いで解決されるのが基本」としつつも、「政府としては、参加国に対し、事実関係を確認するとともに、責任ある対応を取るよう働きかけて参る所存であります」と述べています。
■ 今後の課題と展望
・未払い問題の法的処理(債権回収、民事訴訟) ・違法業者への対応と罰則の厳格化 ・再発防止のための施工管理体制の強化と透明化 ・多重下請け構造の見直しと簡素化 ・公共事業における適正な業者選定と監督責任の徹底 ・関係者(特に外国政府)との信頼回復と説明責任
■ まとめ
アンゴラパビリオンの工事費未払い問題は、建設現場の構造的な課題を浮き彫りにしました。下請け業者の保護と、公的イベントの透明性向上が求められる中、今後の対応が注目されます。
また、海外からの出展を受け入れるにあたって、文化的・契約的な違いにも柔軟に対応できる監督体制の構築が不可欠です。信頼性の高い万博運営を実現するために、早急な是正が求められています。
■ 参考リンク(報道・動画)
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