【大阪万博】閉場時間を23時に検討！スタッフの負担を考えていないと批判が

万博閉場時間延長案に広がる波紋

2025年に開催される大阪・関西万博において、閉場時間を現行の20時から深夜23時まで延長する案が運営側で浮上しています。この決定の背景には、夜間帯のにぎわい創出や夜間イベントの開催による集客力アップ、さらには訪日外国人観光客の回遊促進を図る狙いがあると見られます。加えて、開催期間中の地域経済への波及効果を最大化しようとする思惑も透けて見えます。

しかしながら、この方針に対しては多くの批判が巻き起こっています。特に現場で働くスタッフの健康や生活リズム、移動手段の確保などが十分に考慮されていないのではないかとの指摘が相次いでおり、SNS上でも「現場軽視では」「現実的ではない」といった懸念の声が数多く投稿されています。

閉場時間延長の懸念
2025年の大阪・関西万博で、閉場時間を20時から23時に延長する案が検討されています。夜間のにぎわいや訪日客対応、経済効果を狙ったものですが、スタッフの健康や移動手段への配慮が不十分との批判が相次ぎ、SNSでも懸念の声が広がっています。

万博閉場、22時→23時へ延長案　来場者増へ国際機関と大阪府市

大阪・関西万博をめぐり、万博の国際機関である博覧会国際事務局（BIE）や大阪府・市が、来場者の拡大のため、閉場時間を1時間ほど延ばす案を検討していることがわかった。万博を主催する日本国際博覧会協会に提案する方向で調整している。ただ、帰りの交通機関や会場運営にも影響を与えるため、今後議論を呼びそうだ。

　現在の開場時間は午前9時～午後10時。複数の関係者によると、17日にあったBIEのケルケンツェス事務局長と大阪府の吉村洋文知事、大阪市の横山英幸市長らの会談で、閉場時間の午後11時ごろへの延長に向けて意見が交わされたという。

出典：万博閉場、22時→23時へ延長案　来場者増へ国際機関と大阪府市 [大阪・関西万博2025][リング]：朝日新聞

労働現場からの不安の声

閉場時間の延長に伴い、運営に携わる多くのスタッフの拘束時間が大幅に長くなることが想定されます。飲食店や物販ブース、清掃員、警備員、パビリオン内の案内係など、多くの業種において23時の閉場後に撤収作業や業務整理が発生し、終業が日付をまたぐ深夜になることも珍しくありません。

特に交通機関が減便される時間帯に業務が終了することで、自宅への帰宅手段に不安が生じるスタッフも多く、運営側がどのような帰宅支援策を講じるかが今後の焦点となります。

また、深夜労働は法的にも健康リスクの観点から管理が厳しく定められており、法定の割増賃金の支払いや休憩時間の確保が義務づけられています。これに対応するためには、人的リソースの追加確保、交代制勤務の導入、仮眠施設の整備など、多方面での対応が必要です。

スタッフの負担
閉場時間の延長によりスタッフの勤務が深夜に及び、帰宅手段や健康への懸念が高まっています。法定の割増賃金や休憩確保などの対策が求められ、運営側には帰宅支援や交代制導入などの対応が必要です。

来場者数の“水増し”にも疑問の声

来場者数に関する運営の姿勢にも厳しい目が向けられています。通常、イベントの来場者数は一般の来場者のみをカウントするのが一般的ですが、万博ではスタッフ、報道関係者、設営業者などの入場者も数に含めて発表している可能性があるとされ、SNS上では「実態と異なる数字を出しているのでは」との疑念が浮上しています。

また、日ごとに発表される来場者数が明らかに不自然な上昇を見せるケースもあり、「PR目的の数字操作」といった批判も無視できない状況です。このような不信感が、閉場時間延長の目的が本当に来場者のためなのか、それとも運営の都合なのかという点でも疑問を呼んでいます。

万博の来場者数に対し、「スタッフや関係者も含め水増ししているのでは」との疑念が浮上。発表数の不自然さから「PR目的の操作」との批判もあり、閉場時間延長の本当の狙いに疑問の声が上がっています。

万博の成功に必要なのは「人のケア」

大阪万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマを掲げ、多くの国と地域、そして企業が参加する日本の国家的イベントです。しかしながら、どれほど立派な理念や先端技術が展示されていたとしても、それを支える人々が心身ともに疲弊していては本末転倒です。

訪問者の満足度を追求するのと同じように、スタッフ一人ひとりの働きやすさや安全性にも十分な配慮が求められています。適切なシフト管理、休憩の導入、深夜帰宅者への交通支援、体調不良時のフォロー体制など、万全のサポートが欠かせません。

さらに、外国人スタッフや学生アルバイトなど、多様な人材が働く場でもあるため、文化的な背景や言語面での配慮も必要です。誰もが安心して働ける現場こそが、万博の成功の根幹になるのです。

大阪万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」を掲げていますが、成功にはスタッフの働きやすさと安全の確保が不可欠です。多様な人材への配慮や十分なサポート体制が整ってこそ、本当の意味での未来社会を体現できます。

延長ありきではなく、全員の視点での議論を

万博の閉場時間を延長するという方針は、一見すると経済的効果や話題性を生む魅力的なアイデアに思えるかもしれません。しかしその裏には、多くの現場スタッフの生活と健康、そして労働の権利が関わっています。

今こそ必要なのは、数字や見栄えだけを重視するのではなく、イベント全体を支えるあらゆる立場の声を丁寧にすくい上げた運営です。

訪れる人々も、迎える人々も、すべてが幸せな気持ちで関われる万博こそが「未来社会のデザイン」にふさわしい形なのではないでしょうか。

スタッフの負担を考えて
閉場時間延長は経済効果を期待できますが、スタッフの生活や健康への影響も大きく、配慮が欠かせません。全ての関係者が安心して関われる運営こそが、未来社会の理想にふさわしい万博の姿です。

参考リンク

Yahoo知恵袋：「万博の閉場時間延長と人手不足問題」 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12313732222
アメブロ：「万博の来場者数“水増し”問題に怒り」 https://ameblo.jp/wagontakao/entry-12899229306.html